私は税務署に呼ばれていた。
その日、仕事を昼で終わらせられるように同僚の皆様にお願いしておいて、午後からの用事に備えた。
しっかりと正午に仕事を終え、かきこむように昼食を取り、早々に家を出る。
スムーズに到着した税務署。
初めて訪れるので若干緊張する。
大丈夫、仕事着は着替えてきた。
建物入り口には、すでに到着している義父が。
私の到着を心配してか、電話をかけようとしている。
到着をアピールするため手を上げ会釈した後、車を義父の車の隣に停める。
さあドアを開けようとしたとき、義父が車の外から話しかけてきた。
ずいぶんとせっかちである。
何事かと聞いてみると、驚愕の事実だった。
税務署は、高齢の義父の運転を心配して運転手として私を呼んだらしい。
なんと失礼な。
余計なお世話である。
勝手に高齢ドライバーの運転技術をある意味侮辱し、とりたてて用事のない人間の予定を度外視して運転手として起用する。
こんな一方通行の善意があるだろうか。
私は怒っていた。
わざわざ着替えたのだ。
急いで仕事も終わらせ、昼食もかきこんだのだ。
間に合うように家を出て、緊張までしていたのに。
これがお役所の気遣いならば、反って迷惑である。
ただ、義父が最後まで署員の話を聞かずに早とちりしている可能性も大いにある。
それに、私が呼ばれた理由を確認していればそもそもこんなことにはなっていなかったのかもしれない。
とにかく私は怒っていた。
無駄な時間を返してくれ、と。
このまま帰っては腹の虫が治まらなさそうだ。
そこでコメダ(笑)。
シロノワールもカフェオレもビッグサイズにして機嫌を取りました。
ちゃんちゃん。