大阪湾と播磨灘におけるイカナゴ漁の解禁が、今年は3月1日でした。
このイカナゴという小魚は高知県民にとってはあまりなじみのない魚です。
ところが生姜の仕事についてからは一変、イカナゴはとても重要な魚に変身しました。
このイカナゴを煮るのに、親生姜がいいらしい。
つーか、生姜の仕事してなけりゃ、親だの足だの、知らんことだらけ。
一般にスーパーで見かける「新生姜」といって、先っちょがピンクがかった白っぽい生姜、あれは収穫してすぐの生姜で、酢漬けにしたり佃煮にしたり生姜ご飯にしたり千切りにしてトッピングにしたりと、辛さがあまりなく水分を多く含んでいて柔らかく、調理するよりもそのままいただくとおいしい。
新生姜以外の時期に見られるのが、普通の生姜、我々は「囲い生姜」と呼んでいます。
新生姜を一定温度で保管して寝かせておいて、ある程度の硬さと生姜らしい茶色にさせています。
いやまじで何に使われているのかわからんが頭おかしくなるほどこの生姜がよく売れる(笑)。
ただ、一般家庭ですりおろして豆腐に乗せたり、刻んで餃子のタネに入れたり、煮物や臭み取りで一緒に煮たり、万能に活躍するのがこの囲い生姜です。
その一般に出回る生姜の元、つまり種となっているのが親生姜。
実は囲い生姜の中でも一級品を植え付けまで大事に置いておいて、それを畑に植えるのです。
携わる者の経験で(浅くてごめん)、よい親からはよい子が生まれる。
返せば、親が悪けりゃ子も悪い。
親生姜がきれいで元気な農家さんから仕入れる囲い生姜はやっぱりきれいで立派!
逆に親生姜をケチって小さくして、腐っていたり扱いの悪い農家さんの囲いは残念な見た目やし病気も多い。
つまり、この親生姜がとても大切なんです。
で、生姜のすごいところはこの種となった親生姜まで食べれるところ。
親生姜は子に養分のあげまくってでっけー子に育てるので、水分もなけりゃ繊維質で生では絶対食べれないし、あまり一般家庭には流通しない。
ただ、煮物には最適!らしい。
辛みが凝縮されていて香りも高く、囲い生姜に比べて安価です。
なので、煮物や佃煮、それこそ臭み消しにぴったりなんです。
そこで現れるのが春を告げるイカナゴ。
兵庫県の名産になっています、イカナゴのくぎ煮を作る際に、高知県産の親生姜が登場するってわけ。
去年わざわざ淡路島まで本物のくぎ煮を買いに行きましたよ(笑)。
この旬の佃煮の季節が今年もやってきました。
しかも今年は去年よりも魚量が増えたらしい!
つまり親生姜の出荷量も増えました。
目ん玉飛び出ました(笑)。
ただこのイカナゴのシーズンは長続きしません。
なんか海がきれいになったせいでイカナゴが減ったらしい(笑)。
魚量保全のために漁期を決めて漁をするので、その間だけフィーバーです。
今年はいつまで続くやら。
土佐の生姜、ぜひ食べてみてね。